ブルーの瞳の約束

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春の風が 桜を揺らすたび
あの日の記憶が 胸に舞い戻る
あの日から六年
けれど涙は まだ乾かない
時間は癒しにはならず
ただ、あなたへの愛を深くするばかり
落ち葉の音に 耳を澄ますと
ふわりと あなたの足音がする
風の中に あなたの毛並みを感じ
光のすじに あなたの眼差しを見る
小さな命が 一生懸命に生きた
その奇跡を 私は忘れない
ミューク
あなたは母猫ミコの五番目の宝
兄弟たちの影で そっと乳を探し
真っ白な体に焦茶のしるし
その姿はまるで 小さな天使
まだ幼かったあなたを 腕に抱き
大阪の一人暮らしの部屋へと連れ帰った
あの日から 私の世界は変わった
朝も昼も夜も あなたがいた
たった15分でも
あなたに会いたくて
私は仕事の合間に家へ戻った
ただ あなたのそばにいるために
透き通ったブルーの瞳
その奥に 静かで深い海を見た
言葉はなくとも あなたの目が
すべてを語ってくれた
一年半の闘病の日々
小さな体でどれほど辛かったか
それでもあなたは 最後の瞬間まで
私に「ありがとう」をくれたね
10歳の誕生日は 迎えられなかったけれど
あなたの命は この胸の中で
いまもなお 生きている
ミューク
虹の橋の向こうでも きっと桜は咲いているね
そこにあなたがいて ブルーの瞳で
私を見守っていてくれると信じてる
だから私も 歩いていくね
あなたの分も生きていく
また会えるその日まで
ずっと ずっと 一緒にいるから
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