こうふ亀屋座 × 桜と朱文金のアーティフィシャルアクアリウム

— 小江戸の趣に、現代の癒しを添えて
2025年4月19日、山梨県甲府市に誕生した新たな文化の拠点「甲府市歴史文化交流施設 こうふ亀屋座」
江戸時代に実在した芝居小屋「亀屋座」の名を受け継ぎ、当時のにぎわいと文化の香りを現代に蘇らせるこの施設は、木の温もりが心地よい洗練された空間と、多彩な催しが魅力です。
そんな記念すべきオープンに合わせ、もぎりカウンターに Aquarium TOJO 山梨 株式会社シンシアリーパートナーズ 福田代表のご依頼で作品《桜と朱文金のアーティフィシャルアクアリウム》を東城久幸、アーティフィシャルフラワー部分を東城幸恵が制作させていただきました。
■ 歴史と現代、自然と人工が交差する場所
こうふ亀屋座の建物は、木組みの梁と磨りガラス越しのやわらかな光が印象的で、和の伝統を大切にしながらも、開かれた文化交流の場として設計されています。
その空間に、今回私達の制作したアーティフィシャルアクアリウムが溶け込むように設置されました。
春の日本を象徴する桜に、優雅に泳ぐ金魚たちを組み合わせ、どこか懐かしく、同時に新鮮な印象を与えるよう構成しました。
■ 水槽を超えた“景色”の演出 〜作品名「桜の想い」
今回の作品《桜の想い》では、直径45cm・高さ38cmの円柱OF水槽に、流木と桜の枝、アーティフィシャルフラワーを繊細に構成し、日本の春の風景を象徴的に切り取ったような世界観を表現しました。
この作品に使用している桜の枝は、Aquarium TOJO 愛知 HOBO 保浦代表の庭に咲く桜の枝をもってきていただき使用いたしました。
全体の構図には造形美術の視点を意識し、4種類の桜を使用し、見る人の視線が自然と奥行きへと導かれるよう計算しています。
特に今回は、こうふ亀屋座の もぎりカウンター上部に設置された「二灯のスポットライト」を活かし、桜の花びらや枝が落とす“影”にまで注目して造形しました。
光が射す方向と強さ、そして枝ぶりの角度を調整することで、桜がただ“咲いている”のではなく、“そこに在る”という実在感を引き出すことを目指しました。
この光と影の表現は、平面的ではなく立体的な桜の美しさを浮かび上がらせるための重要な要素です。
桜の影が壁やカウンターに柔らかく落ちる様子は、まるで風に揺れる花びらの儚さを静かに語っているようにも感じられるでしょう。
また、水槽サイドに広がる桜の枝葉は、伝統的な「抜け感」の概念を用い、空間に奥行きと余白の美を取り入れました。
この“余白”があることで、観る人の心に静けさと余韻が生まれ、作品と対話するような感覚が広がります。
■ 「桜の想い」に込めた願い
「桜の想い」という作品名には、季節を越えて咲く 桜に宿る “時間を超える記憶”や“人と人のつながり”を重ねました。
人工物でありながらも、まるで生きているかのような存在感を持たせること。
それが私の造形美術における永遠のテーマです。
こうふ亀屋座という歴史と文化が交差する場に、この作品がそっと寄り添うことで、訪れる方々の心にほんの少しでも温かな記憶が刻まれたなら、こんなに嬉しいことはありません。
■ 文化をつなぐ、新しい表現-アーティフィシャルアクアリウム
こうふ亀屋座は、古典芸能や落語、音楽など多彩な催しを通じて、甲府の歴史と文化を未来へつなぐ場です。
その入口にある もぎりカウンターに、Aquarium TOJO Family Team のアーティフィシャルアクアリウムの作品を設置させていただけたことはとても光栄なことでした。
伝統と現代、自然とアート、そして金魚との心の癒し。
この作品が、こうふ亀屋座という素晴らしい空間の一部として、来場される方々の記憶に残ることを願ってやみません。
桜の枝を愛知から持ってきていただいた Aquarium TOJO 愛知 HOBO 保浦代表 遠いところをありがとうございました。
またすばらしい写真を撮影してくださった、甲府 Asahi Photo Design 内藤駿介カメラマン ありがとうございました。
そしてこのような作品を作る機会を提供していただきました、甲府市の皆様と今回全てのご手配等をして頂いたAquarium TOJO Family 山梨 株式会社シンシアリーパートナーズの福田代表ご夫妻に心より感謝致します。
本当にありがとうございました。
この場をお借りしまして、皆様に御礼申し上げます。
私は長年造形美術を学び制作活動を続けてきました、東城と出会い私の造形美術と東城の水景デザインが合わさりアーティフィシャルテラリウムという作品が生まれました。
私の造形美術の技法の一つアーティフィシャルフラワーデザインも、東城の枝や流木を組み上げる技術があってこそ、さらにゆるぎない完成度の高い作品に仕上がるのです。
すばらしい土台作りにとても感謝します。
こうふ亀屋座にお越しの際は、ぜひ もぎりカウンターにも目を向けていただき、アーティフィシャルアクアリウムの“静かなる春”をご覧ください。
施設情報
• 施設名:甲府市歴史文化交流施設 こうふ亀屋座
• 所在地:山梨県甲府市丸の内1丁目11-5
• 開館時間:9:30 ~ 18:00(施設予約及び催事により延長する場合あり)
• 休館日:毎週火曜(祝日の場合はその翌日)、年末年始(12/29~1/3)
• アクセス:JR甲府駅から徒歩約5分
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